レゾナンスパートナーズ

フリーランス×CxO人材メディア

Column

外部CFOで変わる地方中小企業|財務×DXで経営改善


地方中小企業では、資金繰りや業務の属人化・DXの遅れなどの課題が山積しています。

日々のオペレーションに追われ、改善の手が届かない――。
そんな現場を変える新たな手段として、「外部CFO」の導入が注目を集めています。

外部CFOの導入によって、経営をどのように強化・変革できるのか?
具体的な施策を踏まえた3つのステップで解説します。


【外部CFOの役割と、導入メリット】

まずはじめに、「外部CFO」とはどんな存在なのかを押さえておきましょう。
外部CFOとは、

企業の内部に常勤せず、外部の専門家として財務責任者(CFO)の役割を担う存在です。

資金繰りの改善や金融機関との交渉、事業計画の策定まで、企業の成長段階に応じた財務戦略を設計・実行します。
こうした「数字を軸にした経営判断」を現場と共に進めるのが、外部CFOの役割です。

中小企業やスタートアップでは、常勤のCFOを雇うほどの規模や予算がない場合も少なくありません。
その点外部CFOなら、新規事業立ち上げや出資交渉前など、経営の節目に合わせて柔軟に契約できます。

資金調達・M&A・DXといった課題ごとに、必要なタイミングで最適な支援を受けられるのが強みです。

また地方企業では、都市圏に比べて財務や戦略人材の確保が難しいケースも少なくありません。
ですが現在はリモート環境の整備によって、都市部のCFO人材から継続的な支援を受けることも可能です。

外部CFOは地方中小企業にとって、

必要なときに必要な支援を受けられる、柔軟かつ戦略的な「財務パートナー」になります。


【経営改善ステップ1:「守り」の要塞を築く―財務基盤の再構築】

では実際に、外部CFOは企業をどのように変化させていくのでしょうか。

まず外部CFOが着手するのは、「財務基盤の再構築」です。

売上や利益率、原価、固定費、資金繰りなど。
これまで感覚で把握していた数字を精査し、誰もが理解できる形に「見える化」します。

この「見える化」によって、経営者だけでなく社員全員が財務状況を共有し、同じ目標へ向かって動けるようになります。
財務の透明性を高めることは、組織の一体感を生み出し、社員一人ひとりの当事者意識を育てる第一歩です。

  1. 営業部門の場合
    売上が利益にどう結び付くかを理解
    →単価競争を避け、粗利率の高い商品を優先的に提案する営業スタイルへ転換。

  2. 製造部門の場合
    歩留まり改善がキャッシュフローにどう貢献するかを把握
    →不良削減や段取り時間短縮の取り組みを自発的に提案。結果として、材料費の削減や利益率の向上につながります。

  1. 正確な予測による資金繰りの安定化
    売上の入金サイクルや支出タイミング(仕入・人件費など)を月単位で整理し、資金残高をシミュレーションします。
    例えば運転資金不足を早期に予測できれば、追加融資や支払い条件の見直しを計画的に進められます。
    こうした財務管理により、経営者は資金繰りに追われることなく、中長期的な経営戦略に集中できます。

  2. 金融機関との交渉力強化
    金融機関が安心して融資判断を下せるよう、
    外部CFOは、実績や収益モデルを反映した「財務諸表」や、売上予測を含む「事業計画書」を整備します。
    「新規設備投資で生産効率が15%向上する」など、数値で裏付けられた根拠を提示することで、
    成長資金を有利な条件で確保できるようになります。



【経営改善ステップ2:「攻め」の武器を持つ ―DXによる経営改革】

強固な財務基盤を整えた後、
次に外部CFOが取り組むのは、「DX(デジタルトランスフォーメーション)による経営改革」です。

DXとは、デジタル技術を活用して経営データの共有・分析・判断をスピードアップし、
収益構造を改善する取り組みのことです。

これまで地方企業では、紙の帳票・Excel・口頭での報告に頼る運営が主流でした。
その結果、情報が部門ごとに分断され、経営判断がどうしても後手に回りがちになります。

DXを導入すれば、資金繰り・売上動向・在庫状況・原価構造などの数値をリアルタイムで確認でき、
適切なタイミングで打ち手を講じることが可能になります。

外部CFOの強みは、企業の規模や業種、現場のスキルレベルを把握したうえで、
必要最低限のコストで導入・運用できるDXプランを設計できること。
ツールの選定から運用定着まで伴走し、現場の負担を抑えながらDX化を実現します。

「DXを進めたいが、どこから手をつければいいかわからない」

外部CFOは、そんな悩みを抱える地方中小企業の経営改革を、実行へ導くパートナーになります。

  1. 経営スピードを高めるDXツールの導入
    クラウド会計や分析ツールを導入し、日々の経営データを即座に共有・分析できる環境を整備します。
    現場の担当者もリアルタイムで数値を確認できるため、報告や集計にかかる時間を大幅に削減できます。

  2. DX推進に伴う 「企業文化のアップデート」
    DXを進めるにあたり、これまでのやり方を変えることに抵抗を感じる社員も少なくありません。
    そこで外部CFOは第三者の立場から、なぜ変革が必要なのかを丁寧に説明します。
    データに基づく経営のメリットや、利益拡大・業務効率化などの効果を具体的に示し、
    社員が前向きにDXに取り組める土壌を整えます。




【経営改善ステップ3:経営チームの育成と持続的成長】

財務基盤とDXの体制を整えた後、
外部CFOが次に取り組むのは「経営チームを育て、会社が自走できる仕組みをつくること」です。

地方企業では、経営者の高齢化や後継者不足が深刻化しており、数字の扱いやデジタルツールの活用に不慣れな人も多く、
せっかく整えた仕組みをどう生かせばいいのか迷う場面も少なくありません。

どれほど優れた財務管理システムを導入しても、
それを使いこなし次の成長へつなげる人材がいなければ、経営改善は一過性で終わってしまいます。

そのため外部CFOは、後継者が数字を経営判断の武器として使えるよう支援し、
同時に社員一人ひとりが「自ら考え、数字で動く」文化を根づかせます。

  1. DXツールの活用ノウハウを指導
    導入した会計ソフトや販売管理システムを、日々の業務でどう使いこなすかを丁寧に指導します。
    例えば、営業部ではツール上で案件ごとの粗利や回収期間を自動集計し、利益を基準にした提案内容の見直しを行う。
    経理部では月次データをもとに資金繰りや原価の変動を即座に把握し、次の一手を検討する――。
    こうした「データを活かした現場改善」を定着させ、ツールが単なる報告用ではなく経営判断の武器となるよう支援します。

  2. データを生かせる人材の育成
    売上や経費だけでなく、利益率やキャッシュフローなど、経営に直結する数字を理解し、
    数字を「報告のため」ではなく「意思決定のため」に使える人材を育てます。
    例えば経営後継者に対しては、新規投資案件を題材に設備投資額・回収期間・利益率などをシミュレーションする指導を行い、「どの条件なら投資は妥当か」を自ら判断できる力を養います。



【外部CFOの導入効果を最大限に活かすポイント】

外部CFOの導入効果を高めるには、契約前後の関わり方が重要です。
以下では、外部CFOを最大限に活かすための注意点を紹介します。

  1. 必要な課題に絞って依頼する
    「新規事業の立ち上げ時」「決算や監査前」など、
    企業が今まさに解決したい課題に集中してもらうことが効果的です。
    依頼内容を広げすぎず、求める成果を明確にすることで、固定費を抑えつつ専門知識を効率的に引き出せます。

  2. 「丸投げ」はしない
    外部CFOは経営の伴走者であり、責任を肩代わりする存在ではありません。
    経営者自身が意思決定に関わり続けることが、成果を最大化するポイントです。

  3. 役割を明確にする
    資金調達支援・経営改善・人材育成など、外部CFOに求める役割を具体化することで、効果が高まります。
    目的が曖昧だと、専門性を活かし切れません。

  4. 情報を適切に共有する
    正しい判断には正確な情報が欠かせません。
    財務データや現場の状況を適切に提供することで、外部CFOの提案や判断の精度が格段に上がります。

【まとめ:外部CFOで実現する自走型経営体制】

経営改善の最終ゴールは、「数字に基づく意思決定が組織文化として根付くこと」です。
外部CFOは、一時的な課題解決にとどまらず、経営者が不在でもチームが成長し続ける仕組みを作り上げます。

  1. 財務の透明性向上
    資金繰りや損益状況を可視化し、意思決定の精度を高めます。
  2. DXの活用による業務効率化
    データに基づく報告・分析体制を整え、現場の負担を軽減します。
  3. 人材育成と組織改革
    経営判断を現場レベルにまで浸透させ、チームが自律的に動ける体制を築きます。

これらの取り組みが連動することで、世代交代後も持続的に成長できる「自走型の経営体制」が整います。

専門知識や経験を現場に引き込み、具体的な改善策を実行につなげる。
それが、外部CFOが果たす本質的な役割です。

外部CFOは財務の専門家にとどまらず、
経営や組織全体の成長を支える伴走者として、地方中小企業の未来を着実に強化していきます。


あなたの経験を
企業支援に生かしてみませんか?

今、人気のお仕事はこちら 今、人気のお仕事はこちら

関連記事

もっと見る