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「週2日の稼働で財務戦略を支える」──“縛られないCFO”という選択

「企業に属さず、複数の経営を支える。それが今の僕にとって“いちばん健やかな働き方”です」
高橋一真さん(仮名・45歳)は、かつて上場企業の財務責任者としてフルタイムで働き、M&Aや資金調達など経営の最前線で戦ってきた人物だ。そんな彼が今、週2日の稼働で2社のCFO業務を担っているという。
上場企業CFOから、業務委託の“戦略財務パートナー”へ
「このままでいいのだろうか──」。
高橋さんがそう感じ始めたのは、コロナ禍が落ち着き、出社が徐々に再開された2022年頃のことだった。
「リモートから対面に戻る中で、“また以前のように、無数の会議に縛られる働き方に戻るのか?”という違和感を覚えたんです。会議に出ては何かに追われ、本当に集中すべきことに向き合う余白がない。そんな働き方を、この先も続けていいのかと自問しました」
その頃から、会社に属さずに企業の意思決定を支えるという働き方に関心を持ちはじめたという。
「CFOという仕事は、“数字を整える”のではなく、“経営者の意思決定を支える”のが本質。であれば、場所や時間にとらわれなくてもできるのではないかと考えるようになりました」
その後、高橋さんは常勤を退き、業務委託という形で数社の財務支援を開始。最初はスポット案件が中心だったが、現在では2社と継続契約を結び、「週2日のCFO」として中長期の経営戦略にも関わっている。
「現場に行かずとも、経営には関われる」
現在支援しているのは、いずれも成長期のスタートアップ。1社は地方都市で再生可能エネルギーのSaaSを展開する企業。もう1社は、東京を拠点とするD2Cブランド企業だ。
「再エネSaaSの方は、月・火の2日間で関与しています。資本政策の立案、予実管理の構築、投資家との関係づくりまで、かなり深いところまで関わっています。D2Cブランドの方は、金曜日にマーケティング支出の最適化や、在庫回転率の分析などを中心に支援しています」
いずれも完全リモートでの関与。SlackやNotion、Zoomを通じて経営メンバーと常時つながっており、資料作成から意思決定まで、すべてオンラインで完結している。
「“現場に行かないと分からないこともある”というのはもちろん事実です。でも、時間の制約があるからこそ、限られた時間内で最もインパクトのある課題に集中できる。そういう前提のもとで仕組みを整えていけば、むしろ本質的な経営支援ができると思っています」
複数社に関わるからこそ、深く考える力が養われた
「複数社と関わっていると、どうしても表層的な関与になるのでは?」という懸念の声もある。だが高橋さんは、「むしろ逆だった」と語る。
「2社で週2ずつしか入っていないからこそ、1回1回の打ち合わせが“経営の意思決定”として非常に濃密な場になる。Slackのやりとり1つでも、その企業のリズムや温度感に気を配るようになりました」
また、業種やステージの異なる企業と関わることで、「比較できる視点」が自然と身についたという。
「SaaSとD2Cでは、KPIも文化も全く違う。でも、たとえば“資金繰り”や“投資回収”という視点はどちらにもある。違いを知っているからこそ、視野が広がるし、提案の説得力も増すんです」
時間の“余白”が、長期的な価値を生む
高橋さんは現在、週3日程度の稼働にとどめ、残りの時間を自己研鑽や家庭との時間に使っている。
「上場企業で働いていた頃は、“経営の数字”を誰よりも早く・正確に出すことが最優先だった。でも、今は“この会社が10年後も存続するには”という問いを自然に持てるようになりました」
最近では、サステナビリティ経営や地方創生ファイナンスの研究にも取り組んでいるという。
「数字は、経営の“現在地”を示してくれます。でも、未来の方向性を考えるには、もっと多面的な視点が必要です。時間的な余白があることで、そういう“経営の未来”について考える習慣ができました」
「業務委託でも“本気の経営”はできる」
最後に、高橋さんにこの働き方を考える人へのアドバイスを聞いた。
「“業務委託”という言葉だけ聞くと、軽く受け取られることもあります。でも実際には、求められるのは“即戦力以上の信頼”です。短い時間で本質を見極め、相手の未来を一緒に考える力。それがあれば、常勤じゃなくても企業はあなたを必要としてくれます」
そして、何よりも大切なのは「自分にとっての健やかな働き方」を見つけることだと語った。
「“全部の時間を会社に捧げること”だけが貢献ではない。自分の時間を大切にしながら、企業にもきちんと価値を返す──。そんな関わり方ができる人が、今後もっと増えていくと思います」
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